あなたのアゴは健康ですか?

顎が痛そうな女性 「口をあけたときに顎が痛い」
「口をあけようとしても顎がひっかかって開けにくい」
「口を開けたときに顎が鳴る」
という症状で来院される患者さんも多くいらっしゃいます。顎関節症とは、顎の関節周囲に何らかの異常があることで、顎の痛みなどの慢性的な症状を引き起こす疾患のことです。


しばらくしたら自然に治る場合もありますが、悪化してさらに口が開けにくくなったり、痛みが増す場合があります。 重症化すると食事をすることも困難になる等、日常生活に大きな支障をきたすケースもあります。

痛くないところまで口を大きく開いたとき、人差し指・中指・薬指の3本の指を縦にした状態(3本の指を縦にすると、約4センチの定規代わりになるわけです)で口に入るかどうかが、顎関節症の一つの判断基準になります。 このよう場合は「今は大丈夫だから」と放置しないで、一度歯科医院の診断を受けることをおすすめします。

顎関節症になる原因

顎関節症には色々な原因がありますが、基本的には、顎の関節に不自然な力がかかり続けることで発症すると言われています。そして、この不自然な力の原因の一つが、歯ぎしりや食いしばりなどのクセです。 歯ぎしりや食いしばりがある方は、顎周辺の筋肉の緊張によって顎関節に負担がかかり、顎関節症を発症する可能性があります。

歯ぎしりや食いしばりは、不安やプレッシャーなどのストレスによって起こりますので、過度なストレスも顎関節症の間接的な原因だと言えるでしょう。

アンバランスな咬みかたをしている

たとえば、片側の奥歯が抜けたままになっている人は、反対側ばかりで咬む癖がついてしまい、本来なら咬めるはずの反対側ばかりに過度の負担がかかってバランスが崩れますし、義歯を入れているが、そこではあまり咬まないで、どうしても自分の歯が残っている部分だけで頻繁に咬む癖がついていると顎関節に負担がかかってしまうのです。義歯で硬いものを咬むのは困難ですが、軟らかい食物や、食べやすい食物等、義歯の部分で食べられるものは極力義歯の部分で咬んで、自分の歯が残っている部分の負担を少しでも軽減させましょう。

歯周病でグラグラする歯がある方も同様に、顎関節に余計な負担がかかります。 顎関節症になって顎が痛むようになると、それを無意識にかばおうとして、さらにバランスが崩れるという悪循環を辿ります。

どんな人に多い?

顎関節症の女性 日本における顎関節症の患者数は約4万人とも言われています。お子様からお年寄りまで幅広く見られる疾患ですが、特に多いのは10代半ばから20代。性別の傾向としては、女性が男性の2~3倍多いというデータもあります。女性の患者が多い理由は明確にはなっていませんが、男性に比べ骨格や筋肉・靱帯が弱く、ストレスの影響を受けやすいことなどが原因の一つとされています。

次回は、顎関節症の治療法・予防法について解説していきます。